壱越調の音階
壱越調は呂旋で、五声は 宮 D・商 E・角 F#・徴 A・羽 B。これに嬰角 G・嬰羽 Cを加えた七声で旋律が動きます。主音にあたる譜字は、メリを付けずに正律で安定して吹きます。
音階と各楽器の譜字
| 音名 | 十二律 | この調子での役割 | 笙 | 篳篥 | 竜笛 | 琵琶 | 筝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| D | 壱越 | 宮(五声)・主音 | 凢D5上D6 | 六D5 | 六D6責六D7 | 一D21弦開放乙D32弦第3柱クD33弦開放也D44弦第4柱 | 一D3三D4八D5巾D6 |
| E | 平調 | 商(五声) | 乙E5八E6 | 四E5 | 干,E5干E6責干E7 | 工E21弦第1柱コE32弦第4柱七E33弦第1柱 | 四E4九E5 |
| F# | 下無 | 角(五声) | 下F#5千F#6 | 一F#5 | 五F#5責五F#6 | 凢F#21弦第2柱ヒF#33弦第2柱 | 五F#4十F#5 |
| G | 双調 | 嬰角 | 十G5 | 舌G4丄G5 | 丄G5責丄G6 | フG21弦第3柱〻G33弦第3柱丄G34弦開放 | — |
| A | 黄鐘 | 徴(五声) | 乞A4行A5 | 五A4丁A5 | 夕A5責夕A6 | 斗A21弦第4柱乚A22弦開放之A33弦第4柱八A34弦第1柱 | 二A3六A4斗A5 |
| B | 盤渉 | 羽(五声) | 一B4七B5 | 工B4 | 中B5責中B6 | 下B22弦第1柱丨B34弦第2柱 | 七B4為B5 |
| C | 神仙 | 嬰羽 | 比C6 | 凢C5 | 丅C6責丅C7 | — | — |
| G# | 鳧鐘 | 音階外 | 美G#5 | — | — | — | — |
| C# | 上無 | 音階外 | 工C#5言C#6 | — | — | 十C#32弦第2柱ムC#44弦第3柱 | — |
音名は国際式(A4 = 430 Hz を基準)。赤字の譜字は、壱越調でメリ・ハカリなどの例外的な奏法が付くもの(下の表を参照)。琵琶は弦と柱、筝は弦の名前です。琵琶・筝の調弦は、出典が見つからなかったため主音と音階から組んだ暫定値です。笙は合竹ではなく、竹(簧)1本ずつの音高です。
壱越調の例外的な奏法(メリ・ハカリ)
| 楽器 | 譜字 | 音高(正律 → この調子) | この調子での奏法(このアプリでの再現) |
|---|---|---|---|
| 篳篥 | 舌 | G4(変えない) | 音頭で約15セント沈めてから立ち上げる。 |
| 篳篥 | 凢 | C5(変えない) | メリ凢: くわえを浅く口元を緩め、C(神仙)で吹く。音頭で約55セント沈めてから立ち上げる。 |
| 篳篥 | 丄 | G5(変えない) | 音頭で約15セント沈めてから立ち上げる。 |
| 竜笛 | 干 | E6(変えない) | 和(低音域)では、約20セント上から角度を変えてなめらかに着地する。 |
| 竜笛 | 五 | F#5(変えない) | 高めに当たりやすいのを、顎を引いて約18セント抑え込み、正しい高さに合わせる。 1.5秒以上伸ばすと、顎を引いて約35セント落とす(途中は階段状、フレーズの終わりは滑り台状)。 |
| 竜笛 | 丅 | C#6 → C6 | ハカリ(指孔を半分塞ぐ)と強いメリで半音下げる(責も同じ)。 高めに当たりやすいのを、顎を引いて約30セント抑え込み、正しい高さに合わせる。 |
| 竜笛 | 六 | D6(変えない) | 和(低音域)では、約20セント上から角度を変えてなめらかに着地する。 |
セントは半音の 1/100。値はアプリの既定値で、gagaku/instruments.py の HICHIRIKI_MERI・RYUTEKI_MERI と gagaku/tunings.json で変えられます。